山崎農業研究所編『食料主権』農文協から発売中

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<お薦め農業・図書情報>山崎農業研究所編 『食料主権』 農文協から発売中
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ISBN4-540-00006-3
緊急提言 食料主権−暮らしの安全と安心のために
山崎農業研究所 発行
A5 200頁
定価 1500 円 (本体 1429 円)

新基本法時代に向けて、食料自給を支える資源・技術・営農を追求、食の安全と安心を求め、農業の多面的機能発揮のために研究者から技術者・生協や食品加工関係者・公務員・農家まで41氏が自由に意見を表明・主張。

2000年3月1日 発行
農山漁村文化協会

★農文協オンライン書店「田舎の本屋さん」で購入可能です。購入リンク

 緊急提言『食料主権ー暮らしの安全と安心のために』が3月上旬全国の書店の店頭に並んでいます。41人の執筆により、次のような構成になっています。

 1、食料主権とは何かーその主張と背景
 2、食料自給を支える資源・技術・営農
 3、食の安全と安心を求める地域からの挑戦
 4、農村の多面的機能に公的支援を


(簡単にそのポイントを同書「あとがき」から紹介致しましょう)


あとがき・・長寿社会に赤信号・それはあなたの問題・・原田 勉

 この本の執筆者は大部分が六十歳以上の人である。この人たちは第二次世界大戦中と戦後に生きて食べ物に飢えた経験がある。それだけに食料問題には敏感である。現在は長寿社会に生きているが今後のことを心配している。例えば、「一部の医学者が、医療技術の進歩が寿命を延ばしたと主張するのは間違いだ。
食のライフスタイルこそ、病気やその因子を減らす要因がある」というのは東京都老人総合研究所の柴田博副所長である。欧米とアジアの中間の真の特異な栄養状態を確立したのが日本の長寿の秘密だと言う。この点は賛成で日本型食生活こそ世界に誇れると思っている。

 ところが、いま問題なのは、日本人の食生活の基本である食料の安全・安心の確保である。このたび山崎農業研究所の総力をあげて編集したこの単行本「食料主権」がその問題を提起している。

 そもそも「食料主権」とはなにか、耳なれないない言葉であるが、巻頭論文ににある、NGOによれば「あらゆる諸国がいかなる報復措置をうけることなく、自らが適切と考える食料自給ならびに栄養品質の水準を達成するための主権」のことであり、「自らの食料安全保障政策を決定する権限」のことである。
また、農業生産者によれば、「食料主権は、生産から販売、消費にいたる戦略と政策を決定するための国家と地域社会の自由であり、力量である」

 つまり、暮らしの安全と安心を守るための食料を確保する権利ということができる。なぜこのような提言をするか、それはわが国の食料自給率がますます落ち込んでいる。しかも、国際的穀物メジャーや国際的遺伝子組み換え組織による世界食料支配が行われようとしているという危機感があるからだ。

 この本の目次に明かな寄稿者40人が、その危機の背景を分析し、これに対決する農業・環境政策の具体的転換、現地の実践を提言している。たとえば、 百一歳の農業経済学者近藤康男は「世界平和のため」を説き、東京農工大学梶井功学長は「不測の事態でも飢えさせない農業施策を」求めている。また農村の現場からは山形の山村に生きる栗田和則、産直運動をつづけている宮城の佐々木陽悦、千葉船橋の斉藤敏之の永年の実践はその可能性を伝えている。そのほか多くの研究者は食料自給を支える資源・技術・国土政策を提言している。

 要約すれば、「食料主権・食料自給なくして一国の独立もなく、世界の平和も維持できない。また国土・環境の保全は食料の自給政策によって達成できる。そして消費者も毎日の食事の選択と知恵が食料主権を守る途だ」と説いている。

 その大きな役割として「消費者主権」がある。食品の安全性を求めた消費者のニーズがいま世界を動かしている。具体的例がホルモン牛肉、ダイオキシン汚染食品、遺伝子組み換え(GM)食品の拒否である。

 ヨーロッパではとくにGM食品の禁止運動が盛んだ。日本でもGM食品への対応は速い。大豆製品の表示。非GM原料への転換は、ビール会社や食品業界、流通業界まで消費者ニーズに動かされている。

 こうした世界的動きにアメリカもGM作物を食品メーカーが使用を控え、カーギルなどの穀物メジャーも分別集荷を強化し、生産者もGM作物の作付けを控えるまでになっている。

 いままで弱い立場の消費者が食料主権を発揮する時代になろうとしている。

 長寿社会に赤信号、それを防ぐのは消費者であるあなた自身の食料主権の主張である。日本の食料生産者も食品加工・物流業者もそれに対応していかねばならないときである。

山崎農業研究所は今年創立25周年を迎える。この永年の会員の研究活動の成果がここに結晶して内外に農業・食料・環境問題への提言となった。

発売元:農文協 定価1500円 
山崎農業研究所会員は2割引き(1200円)で提供します。
(書店にない場合は直接03−3357−5916へお申込下さい)

なお、今後山崎農業研究所の『耕』その他会員の図書も農文協・農業書センターで取り扱う予定です。くわしくは「田舎の本屋さん」のHPをご覧下さい。
http://www.ruralnet.or.jp/shop/


緊急提言 食料主権 暮らしの安全と安心のために (目次)

■ 1. 食料主権とは何か――その主張と背景
矢口 芳生  「食料主権」確保の意味と条件――消費者ニーズが生産・消費を変える
梶井 功  不測の事態でも国民を飢えさせない農業を――国内で供給すべき基礎食料の生産
堀口 健治  食料輸入大国としての日本の課題―国際ルール・食品産業そして環境保全
井上 喜一郎  農政は国民に食料安全保障を約束せよ――当たり前のことを考え直そう
新山 陽子  自給率低下宿命論からの脱却――畜産経営存続条件の確保が必須
田村 真八郎  風土に基礎をおいた食文化の形成――食生活の基本は地域の食料資源で
熊澤 喜久雄  食料自給率の増大が環境を保全する――農産物貿易と環境問題
井上 駿  穀物流通のグローバル化への対応―穀物メジャー・WTOと草の根農業
近藤 康男  食糧自給は世界平和の基礎である――101歳の農業経済学徒の提言

■ 2. 食料自給を支える資源・技術・営農
田渕 俊雄  国土と調和した持続的農地、水田を守ろう――その豊かな生産力と環境保全機能
増井 和夫  乳牛・肉牛の粗飼料自給は可能である――放牧による草資源の活用
鈴木 芳夫  忘れてはならない野菜・果実の自給――その重要性と歴史的経験
鈴木 康司  健康食としての野菜の自給向上にむけて――産地育成は誘導から支援へ
宇根 豊  「自給」の技術の長き不在――環境の技術論を求めて
宇田川 武俊  有機農法への転換による食料自給――消費者も農業生産の担い手に
田口 三樹夫  新しい農業経営体と担い手の再編を――食料自給目標と生産の担い手
大山 勝夫  遺伝子組み換え技術の利用と安全性――食料主権と自前の技術開発を求めて

■ 3. 食の安全と安心を求める地域からの挑戦
栗田 和則  自創自給の暮らしから――東北の農村で共に生きるむら
佐々木 陽悦  ほんものの食を求めて――消費者との共生を貫く農業
齋藤 敏之  三〇年の産直運動から食料主権を考える――船橋農産物供給センターの実践
安村 碩之  食生活の変化とフードシステム――惣菜産業への原料野菜供給を考える
八原 昌元  加工食品メーカーからの注文――とくに小麦の自給について
太田原 高昭  自給率向上と北海道農業の戦略的位置――日本の食料基地としての政策課題
平井 正文  地域生産力の拡大と地方自治の確立――沖縄の実情から考える

■ 4. 農村の多面的機能に公的支援を
冨田 正彦  新みずほの国誕生への期待――多自然居住地域と食料・農業・農村
千賀 裕太郎  農村地域の多面的価値の保全――都市・農村・自然の計画的な国土利用
後藤 光蔵  「地域交流・循環型農業」の展開――都市農業の振興と農地の保全方策
古野 雅美  農林一体の山村振興の施策を――林業基本法から森林基本法の制定へ
安富 六郎  中山間地域の環境型土地利用――日本型アグロフォレストリーの創造
中川 昭一郎  農村の二次的・三次的自然の保全と創出――生産性と生態系の両立する農業農村整備を
小泉 浩郎  「多面的機能」の総合的な管理主体の形成――土地改良区を母体とした再編を

■ 会員投稿
林 尚孝  くたばれ競争社会!くたばれグローバリゼーション(1―1)
岸本 良次郎  「食料主権」は「国」の主権(1―2)
松坂 正次郎  「食料主権――食料自給戦略」に意見あり(1―3)
岩崎 徹  食料自給率考――根源的なとらえ方を(1―4)
細田 友雄  ナタネの自給について訴える(2―1)
橋渡 良和  自然食品は健康食品(3―1)
菊池 修治  毎日の食事が原点――食料主権に思う(3―2)
古野 隆雄  田んぼは「ご飯」と「おかず」をつくるところ(3―3)
石川 秀勇  都市周辺地域における論議と実践への期待(4―1)
高浜 信行  地すべり地の活用と食料・国土保全問題(4―2)


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