『電子耕』No.104-2003.03.06号

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隔週刊「77歳が送る農業文化マガジン『電子耕』」 第104号    
−健康・農業・食・図書・人物情報・高齢者と若者の交流誌−
http://nazuna.com/tom/
2003.3.6(木)発行 西東京市・ひばりが丘 原田 勉
*************************************発行部数 1829 部***********
<キーワード> 
 健康・食べ物・農林園芸・図書を中心とした雑学情報を提供し、庶民の歴史
も残す。高齢者と若者の交流ミニコミ誌。お互いに情報を交流しましょう。
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◆◆東京大空襲から58年 記念企画のご案内◆◆

★語り継ぐ東京大空襲・いま考えること
     =開館1周年のつどい=3月9日14時から16時。
会場:ティアラこうとう(江東公会堂)
http://www.city.koto.tokyo.jp/~tiara/
都営新宿線住吉駅徒歩4分
1部 戦災資料センターのこの1年
2部 トーク:宗左近さん・豊村美恵子さん・早乙女勝元 館長
(問い合わせ)東京大空襲・戦災資料センター 電話03-5857-5631
ホームページ
http://www9.ocn.ne.jp/~sensai/
〒136-0073 東京都江東区北砂1丁目5-4 (財)政治経済研究所
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◆◆東京国際ブックフェア2003「招待券贈呈」◆◆

農文協図書館から招待券贈呈
4月24日から27日まで、東京ビックサイトで開催。26日・27日の一般公開
日には特別割引価格で書籍の購入・注文ができます!
『電子耕』読者は、郵便番号・住所・氏名・希望枚数をメールでお申し込み下
さい。郵送サービス致します(tom@nazuna.com)

東京国際ブックフェア2003公式サイト
http://www.reedexpo.co.jp/tibf/
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□ 目 次  □----------------------------------------------------
<読者の声>林幸三さんから、田んぼのおばさんから、丹羽さんから、紀平さ
んから、森さんから、
<舌耕のネタ>日本でも「イラク攻撃反対!平和パレード」(原田勉)  
<丹羽敏明の戦争体験>4、派遣先中隊での体験 
<銀幕閑話>中国映画の「反骨精神」・毎日インタラクティブ コラム
<日本たまご事情>タマゴ酒と落語、その2 愛鶏園・斎藤富士雄
<晴耕雨読8>図書館を平和のシンボルに 田んぼのおばさん
<森 清の読後感>町工場で働く人々を描く、小関智弘『新装版 羽田浦地図』
現代書館03、2月刊、1700円
<70歳からの病気>4、「胃潰瘍とピロリ菌退治」(原田)
<雑誌新刊>読みたい記事満載・『現代農業3月号』800円 農文協
<農文協図書館HP更新情報>近藤康男文庫目録その3
<私の近況報告>2月21日〜3月5日(戦時体制の思い出)
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<読者の声>(お断り:最近視力が極端に落ちました。そのため従来メールが
きたらすぐ返信していましたが、それが出来なくなりました。今後メルマガ
『電子耕』だけで返信・コメントいたしますので、ご承知ください)
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■2/20 丹羽さんから、
『電子耕』103号配信有り難うございました。
毎年のことながら確定申告にちょっぴり汗をかいております。当地は税務署が
遠いので歩行不如意な者にとってはタクシーを利用することになるので不便で
すが、これも国民の義務とあれば老骨に鞭を打って責任を果たそうと思ってい
ます。
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■2/24 林幸三さんから、<いきいき人生>
新年早々、和歌山県知事からシニアマイスター認証の交付をいただきました。
過去の体験をいかして『土地の話』、『自分史・地域史・同時代史』をテーマ
に県下をまわります。
現在、関係機関から温かい援助をいただいています。
昔の経験で75歳がんばります。
ご一報いただけましたら、レジュメをお送りします。
連絡先:和歌山県長寿社会推進課か林幸三 ayutarou@msa.biglobe.ne.jp
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■2/24 田んぼのおばさんから、
畑仕事に追われないこの時期は、別の意味で忙しくすごしています。
偶然なのでしょうが、この季節にイベントが集中するのです。
国、都が相次いで『子どもの読書推進基本計画』を発表し、八王子市でも独自
の基本計画策定に入っています。その協議会委員として関わるチャンスを得、
小さな子ども文庫を手伝っていただけの『文庫のおばさん』が、学校図書館を
考える会を組織しようかと画策し始めました。
八王子には小・中あわせて100校以上の学校があります。三鷹や日野、町田、
多摩といった三多摩地域の先進市町村に学びながら、一歩ずつでも前進したい
と思うのです。

一日がせめて30時間あれば、などとぼやいているこのごろです。
畑では麦がまっているのですが。

http://homepage3.nifty.com/half-farmer/
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■2/27 紀平さんから:
ご無沙汰しています。「電子耕」の方は相変わらずボリューム
タップリで読みごたえがあります。近藤先生の体調がちょっと
気にかかります。

当方は4月1日で研修担当から生活家庭部編集委員に戻ります。
担当はまだ分かりませんが、シニア、コミュニティ、街づくり
等は自分のテーマとして追っていくつもりです。
引き続きお付き合いのほどよろしくお願いいたします

●原田からコメント:
こちらこそご無沙汰してます。
メール有り難うございました。
おめでとう御座います。やはり書く仕事がいいですね。
近藤康男先生は自宅でお元気です。さすがお歳で、エッセイが
まとまらない、難しいと言われます。
でも、自宅に伺いやさしいテーマに変えていただきました。
「想い出の人々」です。
どうなることか今後が楽しみです。
お彼岸ころは農文協図書館にでかけられそうです。
(3/5近藤先生「初出勤」されました。)

コラム「中国映画の反骨」拝見しました。賛成です。
日本ではどうしてこんな映画が出来ないのでしょうか。
ともかく、ぜひ電子耕で紹介したいですね。
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■3/3 森さんから、
学務繁忙と風邪引きとで遅れました。
農業関係の方が多いような読者の方々にも町工場の話をも読んで頂きたく。

●原田からコメント:
入試や卒業式などお忙しい中をメール有り難うございました。
私も風邪を引きました。いつもこの時期ですね。
電子耕の読者は多彩で農業関係が多くもありません。
町工場で働く人も農業で働く人も似たような喜びと哀しみの人生だと
思います。きっと共感するでしょう。

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<舌耕のネタ>日本でも「イラク攻撃反対!平和パレード」(原田勉)  
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 2月19日の東京・日比谷から銀座に繰り出した平和パレードには7000
人が参加し、先頭に立ったのは個人参加の普通の人たちであった。テレビの前
で怒っているだけでは何も変わらないと、平和を求めて立ち上がった人たちだ。
労組主導の雰囲気が普通の市民主役に一変したのだ。

 個人参加者の多くが、今回のパレードをインターネットで知ったという。
「反戦、イラク」と検索すればいくつでも反戦サイトが見つかる。3月4日現
在で8750件もある。3月8日日比谷公園へという呼びかけもある。61年
前の東条内閣とマスコミ主導で戦争雰囲気に巻き込まれた日本の対米英戦争の
時とは違う。個人が主役に躍り出たのだ。

 『電子耕』でも前号の内田さんからのメールにある通り、「反対しているフ
ランス、ドイツ、ロシア、中国は大戦中に多くの犠牲者を出した国々である・・
日本も同じはずなのに煮えきらない態度でいることは恥ずかしい・・戦争の悲
惨さだけで、反対できる事を世界にしめすべきです。他に理屈はいりません」
 いざ、戦争になったらアメリカでもイランでも戦う「兵隊は消耗品になる」。
ブッシュやフセインや小泉など指導者は前線に出る訳ではない。いつも消耗品
になり犠牲となるのは個人の兵隊であり、その家族だ。被害を受けないうちに
立ち上がろう。一人一人の思いを、メールとインターネットで世界中に訴えよ
う。
 戦争をたくらむ者の意図を知り告発しましょう。

(編集部より参考リンク)

- 爆弾はいらない 子どもたちに明日を
http://homepage2.nifty.com/mekkie/peace/iraq/
- イラク攻撃に反対する意見広告の会
http://www.yasudasetsuko.com/iraq/
- ワールド・ピース・ナウ
http://www.worldpeacenow.jp/
- 反戦・平和アクション
http://peaceact.jca.apc.org/
- イラク国際市民調査団
http://www10.plala.or.jp/jamila/

(出典:Y!ニュース - イラク反戦運動 関連リンクから)
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/protest_against_iraq_war/

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<丹羽敏明の戦争体験>4、派遣先中隊での体験 
2/14
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昭和20年3月某日、昭南島(現シンガポール)に本部のある第11航空通信
連隊の派遣先であるマレー半島北部のケダ州「スンゲパタニ」に駐屯している
第1中隊向かって出発した。同行した同年兵は5人。原隊である第1航空情報
連隊からずっと一緒だった。マレー半島の列車はオンボロで鈍行、途中何回も
停車し、その都度現地人の子供たちが窓下へ集まって来る。バナナや鶏卵を買
ってくれといって手を出す。片言の日本語を話すので名前を聞くと、男の子は
「国定忠治」とか「清水の次郎長」などと胸を張って名乗る。女の子は「私、
田中絹代」とヨーカン色の顔で髪モジャの少女が得々と名乗る。自分に付けら
れた名前が結構気に入っているようで嬉しそうだった。3月9日、目的地のス
ンゲパタニへ着いた。

スンゲパタニは小さな田舎町と言った程度の規模の町であった。その町の一角
の瀟洒なアパート風の建物が中隊本部だった。同年兵のうち2名は飛行場の通
信分隊へ派遣され、2名は施設班(管轄区域の電線施設の保守管理を行う)に
配属、私は中隊本部事務室で経理事務の担当を命ぜられた。

初めて外出許可が出た。医務室で「突撃」という名のコンドームを渡され、慰
安所のあることを知った。行ってみて驚いた。長蛇の列である。小さな町にわ
が中隊のほか他部隊もかなりいるのを15〜6名の慰安婦がさばいているらし
い。慰安婦は現地人かインド人ということだった。朝鮮人や日本人などの女性
は将校用の高級慰安所にいるそうだ。並んでいるのは古参兵たちばかり。私た
ち初年兵には浅ましくてとても並ぶ元気はなかった。性欲より食欲が先で、食
堂を探して歩いたところ、日の丸食堂という簡易食堂を見つけた。九州訛りの
元気のよいお婆さんが迎えてくれた。「からゆきさん」(戦前、九州方面から
南方へ出稼ぎに行った婦女子たちのこと)はこんな辺鄙なところまで来ていた
のかとびっくりした。

戦況は日増しに悪化していくのが分かった。インドのデリー放送が、ソ連軍が
満州に侵入したとか、間もなく日本は降伏するなどと放送しているのを傍受し
た。デマ放送だと笑っていたが、ある日、英軍の艦載機グラマンの空襲を受け
た。私は経理事務室に保管されていた暗号書の入った金櫃の持ち出し責任者だ
ったので、すぐに担いで防空壕に向かって走ったが、途中グラマンの急降下射
撃を受け、弾は当たらなかったが跳ね返った小石が脚に当たり、それが原因で
南方潰瘍に罹り長い間苦しむこととなった。持ち出した金櫃を元の場所に返そ
うとしたが一人では持ち上がらなかった。演習は短剣術や戦車に火炎瓶を投げ
る練習を毎日繰り返していた。こんな演習が役に立つのだろうかと腹の中では
情けなく思っていた。そんなある日、近くの無線中隊から日本がボツダム宣言
を受託したという情報がもたらされた。

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<銀幕閑話>中国映画の「反骨精神」・毎日インタラクティブ コラム
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(新企画)『電子耕』読者の毎日新聞の紀平さんがアジア映画コラムを始めた
という案内を頂いた。その内容は「中国映画の制作者たちは抑圧体制下で検閲
を経ない作品を海外の映画祭に出品するという方式で反骨の強い意志を表現し
ている」という。毎日インタラクティブの「アジアの目」から「銀幕閑話」に
入る方法は、以下の紀平さんのメールからお願いします。

2/27
毎日新聞のウェブ版「毎日インタラクティブ」
で拙稿のコラム「銀幕閑話」が始まりました。中国を中心に香港、
台湾などの中国語圏映画や韓国、ベトナム、フィリピンなど
アジアの映画を紹介していく予定です。新作紹介に留まらず
過去の名作も取り上げ、アジアの人々の息吹を伝えていく
つもりです。満映のことも機会があれば触れたいテーマです。

入り方は毎日新聞のホームページ「毎日インタラクティブ」
http://www.mainichi.co.jp/

または「アジアの目」
http://www.mainichi.co.jp/asia/

をクリックしメニューの中から「アジア見聞録」
さらに「銀幕閑話」と進みます。
気に入っていただけましたら「お気に入り」に加えて下さい!!
隔週で更新の予定です。よろしくお願いいたします。

「銀幕閑話」
http://www.mainichi.co.jp/asia/goraku/cinema/

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<日本たまご事情>タマゴ酒と落語、その2 愛鶏園・斎藤富士雄
2/23
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近くの小学校では学級閉鎖で大騒ぎしているのに、タマゴ酒のお陰か今のとこ
ろ私どもの方はインフルエンザも素通りしている。 
このまえ「タマゴ酒」の事を書いたら、ネット仲間は有り難いものだ、そのな
かの古典落語「鰍沢」について、これを語っているのは円生だけではなく、5
代目志ん生のものもあると知らせてくれた。
これはうっかりしていた、志ん生は私の一番好きな落語家だから、早速近くの
CD店を何軒か当たってみたがこれがない。
最後に奥の手でA社のネット販売のCDデータベースに当たってみたら運良く見
つかった。
同じ「鰍沢」を語らせても、円生と志ん生はまるで違う。
タマゴ酒にしびれ薬を仕込み旅人に一服盛るのでも、間違って残り物のそれを
亭主が飲んでしまうくだりもまるで感じが違うのである。
円生はどうしても話が怪談調になって凄みがあるし、志ん生はべランメー調で
笑わせる。
同時代を生きた二人はそれぞれ強烈な個性でもって、いまだにファンを惹きつ
けているのが分る。
タマゴ酒の話はつきない。

齋藤 富士雄
(株)愛鶏園
http://www.ikn.co.jp/

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<晴耕雨読8>図書館を平和のシンボルに 田んぼのおばさん
2/24
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 前々回に続いて本に関する話題から。
 
 農作業は大人の楽しみとして関わっている部分が多いが、『本の世界の楽し
み』や、『本から学ぶ喜び』を子ども達に伝えたいと活動をしている。公共図
書館も学校図書館も、単に本があるだけでは倉庫であり、貸本屋といわれても
仕方がないだろう。
 子どもと本をつなぐはたらき、そこを担う専門の『人』が必要だとあちこち
で声が上がっている。そんな図書館問題を考える集会で目からうろこの話に出
会った。
 
第二次世界大戦末期、南方で退却していく日本軍はその土地にある図書館の資
料まで燃料として焼き尽くしたそうだ。当時の日本兵には「図書館は文化を守
っている」という認識がなかったのだろう。翻って、現代の日本人はどうだろ
う。自国の文化を守るということ、そのために図書館が果たす役割の大きさを
考えたことがあるだろうか。

IT化がすすみ、さまざまな情報がパソコンから手に入る。それは便利である。
図書館も利用者を顧客と考え、サービスに努める。たしかにさわやかなムード
にはなった。しかし、図書館の果たす役割はそれだけではない。図書館は意志
をもって文化を守るべきである。そして、その図書館を私たちが育てるのだと
いう意識を持てば、おのずと平和の大切さへも思いが至るのである。

田んぼのおばさん
http://homepage3.nifty.com/half-farmer/
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<森 清の読後感>町工場で働く人々を描く、小関智弘『新装版 羽田浦地図』
現代書館03、2月刊、1700円
3/3
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小関智弘『新装版 羽田浦地図』現代書舘、03年2月刊、1700円
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN4-7684-6850-0.htm

 著者は「旋盤工・作家」として知られ、小説やエッセイを多数書いてこられ
た。昨年その「旋盤工」がとれて「作家」となった。もっとも「元旋盤工・作
家」というと本人は喜ぶかもしれない。
 工業高校を卒業後、ほぼ旋盤一筋に古稀となる今まで生きぬき、その間、言
葉の世界でも大いに活躍した。東京は城南、戦後ずっと町工場が集積していた
地区で暮らしを立て、その町工場や地域の現実を紡ぎ続けて来た。戦後歴史の
一極を定点観測し、仕事と生活とを記録してきた点で記憶されるべき人である。
 本書には、短編が四つ集められた。書いて発表したのは1977年から81年まで
である。二度のオイルショックを潜り抜けて今一度成長かと思わせる時期に書
かれ、発表され、戦後を問う一石を投じた。 
 舞台は著者が働き暮らす城南地区で、戦中から戦後直ぐを通って70年代後半
までわたっている。登場人物は町工場で働く男女、若者から老年者まで、仕事
の腕が確かなものから見習い、町工場の親父さんから夫が亡くなった後を引き
継いだ女性にまでわたる。
 登場人物はいずれも朴訥、ごく普通の人たちで、勤労と生活の匂いがよく綴
られている。独立して自分の工場を持つのが夢の人。それは上昇志向からでは
ない。自立志向。自分を確かめたい。そんな気分のようだ。しかし、その夢は
叶わない。それでも、働く町工場に尽くす。そんな生き方が人が人である証の
ように書かれている。
 1944年、敗戦の前の年、羽田空港近くに「産業戦士慰安所」が作られ、軍需
工場や町工場に働く男たちの憂さ晴らしに女性が駆り出されたそうだ。そこで
男を慰めていた女性の一人と戦後出会って夫婦となった男の、戦時中から戦後
にかけての生活体験記は、辛くまた淋しい物語であるけれども、人生の真実と
いう常套句がまさにこのために用意されたかと思えるほど心を打つ。妻となっ
た女性には、戦時中に一度出会っている。昼は工場で働き、夜は男を相手にさ
せられていたその女性と待合で二人きりになり、しかし交わりは出来なかった。
戦後その女性に会うと、女性は心を病んでいた。どんな経過かはわからないけ
れども、その女性と一緒に暮らし、今その最期を看取るかという生活の中で自
分と相手の人生を噛み締めての物語は、人は不思議な結びつきで支え合うもの
だという感慨を覚えさせる。
 ところで本書は、小説の短編集で「新装版」である。元版は文芸春秋社刊。
約21年ぶりの新たな刊行である。版元になった出版社の編集者が何としても今
一度この本に命を与えたいと望んでのことだ。「小関智弘の仕事」の一つとし
て世に送ろうというわけだと著者のあとがきにある。
 本書は、近来稀なる出版である。というより、小説の短編集が新版で出るな
ど、古来稀である。扱う素材が20年も30年もの歳月を経ていながら作品として
古びていないのは、古典の価値ある証である。
 これから著者は、小説を書き続けるという。小説を書くには体力が必要だと
よく聞く。自愛して歩まれることを期待しておく。

森 清
http://homepage2.nifty.com/morikiyoshi/

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<70歳からの病気>4、「胃潰瘍とピロリ菌退治」(原田)
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 私は、40歳代から胃・十二指腸潰瘍に悩まされてきました。その度に吐血
や下血をくりかえし、貧血になって入院したことも何回もありました。管理職
のストレスが原因といわれてきました。定年になってからぴたり止まりました
から、そう思っていました。
 ところが、77歳になって集団検診で胃潰瘍の疑いという。そこで胃カメラ
(内視鏡)検査をして貰いましたが、「ついでにピロリ菌の検査もしましょう」
ということになり、結果は黒の判定でした。胃潰瘍は胃ガンの前期症状である
ポリープになる前の繊維状だといわれました。でもこの程度ならピロリ菌の除
菌治療で大丈夫ということになり、私もやりました。
 わが国で2000年11月からピロリ除菌治療が保険で承認されたのです。
内服だけで、1週間、3種類の薬を朝5錠、夜5錠1日2回飲むだけです。私
も飲んでみました。ただし、ペニシリン系抗生剤「アモキシシリン」の量が多
いので一時的に下痢がおこり、最後の2日くらいは体力が落ち、歩くのがしん
どくなりました。
 内服薬を飲み終わって1週間くらいしたら、また元気になりました。これで
胃潰瘍も胃ガンにもならないという安心感があります。
 胃潰瘍や胃ガンの恐れある方は、ぜひこの治療法を受けられたらいかがでし
ょう。
 参考文献:毎日ライフ02、3月号
http://www.mainichi.co.jp/life/life/

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<雑誌新刊>読みたい記事満載・『現代農業3月号』800円 農文協
http://www.ruralnet.or.jp/gn/200303/200303_f.htm
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特集「食」が見えると、売り方に磨きがかかる(例えば)
・「ネギは健康にいい」が本当かどうか知りたくて、やってみました!1ヵ月
間ネギ食べ続け実験(茨城県・JA岩井市青壮年長須支部)
http://www.ruralnet.or.jp/gn/200303/kant.htm
・ネギ販売作戦・街頭ネギインタビュー、農家は消費者の食べ方まで口を出そ
う(新潟県・JA神林村)
・春の野草びっくり料理術(愛知県西村自然農園)
http://www.ruralnet.or.jp/gn/200303/yaso.htm
・消費者はいま、農業を手伝いたい
・今年こそ本気で、育苗で病気を減らす
・ほぼ固まった改正農薬取締法の中身
http://www.ruralnet.or.jp/gn/200303/noyaku.htm

『現代農業』4月号800円、農文協
特集「木酢はやっぱりスゴイ・・」木酢は微生物を元気にする、血液さらさら
にする、など木酢液の世界を図解で特集する。
http://www.ruralnet.or.jp/gn/200303/okuzuke03.htm

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<農文協図書館HP更新情報>近藤康男文庫目録その3(3/15更新予定)
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http://www.ruralnet.or.jp/nbklib/

新規収蔵図書(3/15更新予定)
http://www.ruralnet.or.jp/nbklib/book/01new.html
近藤康男文庫目録その3(3/15更新予定)
http://www.ruralnet.or.jp/nbklib/list/071kondou/k09/01.html

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<私の近況報告>2月21日〜3月5日(戦時体制の思い出)
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2月22日、近藤康男先生の自宅に「思い出エッセイ」の打ち合わせに伺う。
新たに「思い出の人々」シリーズを始めることになる。有馬頼寧さんや石黒忠
篤さん、古島敏雄さん、坂本楠彦さんが候補にあがる。これはなかなか良い企
画だと乗り気になられる。この一年が楽しみである。

26日、確定申告に税務署にゆく。初めての印税計算と収支内訳書、必要経費
に不明の点あり、手を焼く。税務署で相談して記入OKとなる。

27日、毎日新聞の紀平さんからアジア映画コラム「銀幕閑話」の紹介あり、
今回から掲載することにする。毎日インタラクティブ「アジアの目」をご覧下
さい。(新企画として目次参照)

3月2日、三好十郎作「浮標(ブイ)」演出・栗山民也を新国立劇場で観劇す
る。1940年に発表され、日中戦争を背景に知識人の芸術・思想・生命がぶ
いのように揺れ動くなか、三好十郎自身の体験を投影した葛藤を描いている。
 上演機会の少なかった「幻の名作」だ。それだけに当時のことがいろいろ思
い出された。満州から北支へ広がった泥沼化した戦争のなかで日本人はいかに
生きたか。当時、私も戦時体制の中でやがて戦争に駆り立てられるという絶望
的青春であったことを思い、現在のイラク攻撃・世界戦争の緊迫した情勢を考
えざるを得なかった。

3日、文芸春秋編集部から近藤康男先生にインタビューの申し込みあり。『大
養生・百歳人生の健康読本』増刊号で「長寿者の健康法」についてお話を伺い
たいと。先生と相談して4月後半の日程にして貰うよう返信する。

5日、近藤康男先生が農文協図書館に本年初出勤。お元気にひとりで例の鞄を
肩にかけておいでになる。早速、思い出エッセイ「農科大学の先輩・有馬頼寧」
の執筆にかかられる。
さくらの開花予想が出た。2月中旬からの平均気温によってきまるという。平
年にくらべて今年は早めの予想である。春はそこまできている感じだ。

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次回、105号3月20日(木)発行の予定。

━PR━━━━━━━━━━━━━━━━━━━劇団文化座━━━━━━━
■■■■        劇団文化座第116回公演
■■■□    「遠い花 ―汝が名はピーチ・ブロッサム―」 
■■□□   
■□□□ 原作:葉月奈津・若林尚司著 
□□「ピーチ・ブロッサムへ ―英国貴族軍人が変体仮名で綴る千の恋文―」
 ともに日本で暮らすことを夢みながら、世界大戦によりその夢を阻まれるア
ーサーとまさ。強いられた別離の中で頻りに交される手紙だけが二人の絆をつ
なぐ。──柳行李から偶然に見つかったアーサーの日本語の手紙が証す、二つ
の世界戦争と「家族」の悲劇。 
□□□□ 
□□□□       作=八木柊一郎 演出=鈴木完一郎
出演=佐々木愛、遠藤慎子、有賀ひろみ、阿部敦子、高村尚枝、浅野文代
   伊藤勉、青木和宣、田村智明、鳴海宏明、佐藤哲也、米山実
□□□□ 2003年 4/16(水)〜27(日) 俳優座劇場(六本木)
□□□□           前売り券発売中
http://bunkaza.com/
● 2000年の初演案内より
http://bunkaza.com/history/tooihana/peach2000.html
━━━劇団文化座━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎お願い「<読者の声>の投稿規定・メールの書き方」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1、件名(見出し)を必ず書くこと。読みたくなる見出しを簡潔・明瞭に。
「はじめまして」は省略して、言いたいことを具体的にズバリと書き出す。
2、氏名・ハンドルネームは、文末ではなく始めの方に書く。
3、1回1テーマ、書き出し・本文・結論を10行位にまとめる。
4、送信する前に、何を言わんとするか、読み返し、推敲することが大切。
5、ホームページを持っている人は、文末にURLをつける。
6、JIS X0208 規格外の文字(機種依存文字)のチェックをする。
http://www.chem.sci.osaka-u.ac.jp/networks/check/jisx0208.html
インターネットで使えない丸数字や半角カタカナ、略号などは文字化けの原因
です。
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★『メールマガジンの楽しみ方』発売中
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書名:岩波アクティブ新書45『メールマガジンの楽しみ方』
著者:原田 勉 定価:本体700円+税 発行日:2002年10月4日
発行所:岩波書店 ISBN4-00-700045-X
まえがき・目次・著者紹介・注文方法
http://nazuna.com/tom/book.html
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『電子耕』から大切なお知らせ
http://nazuna.com/tom/10.html
<本誌記事の無断転載を禁じます>
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  隔週刊「77歳が送る農業文化マガジン『電子耕』」  第104号
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http://nazuna.com/tom/denshico.html
2003.3.6(木)発行    西東京市・ひばりが丘  原田 勉
mailto:tom@nazuna.com
***発行部数 1829 部 ********************ここまで『電子耕』**********