78歳の伝記ライター 原田 勉
『電子耕』 111-2003.06.12号
高橋富弥さんの逝去を悼み業績を讃える

<農文協図書館から>高橋富弥さんの業績を讃える

       原田 勉   2003.5.29

 2003(平成15)年5月28日、急性くも膜下出血で急逝された高橋富弥さん(享年68歳)は農文協図書館にとって貴重な業績を遺されました。その業績を讃え、ここに謹んでご冥福をお祈り致します。

 高橋富弥さんは、昭和10年東京に生まれ、戦時中は群馬県桐生市に疎開し、戦後は伊勢崎市で育ちましたが、少年時代から脊椎カリエスに侵され、あたら青春を闘病についやし、県立桐生高校は卒業しましたが大学進学は諦めざるを得ませんでした。病気回復後も足腰に重い障害が残りましたが、手に職をと時計店、眼鏡店に勤め、持ち前のサービス精神でお客様に接し良心的と皆様から人気がありました。


 定年後、一念発起して調布市の市民学習講座でパソコンを習いました。その技術を生かして農文協図書館にボランテイアとして図書のデータ入力を始めたのが64歳の夏でした。毎週3日間アルバイトとして通勤し、膨大な量の図書を1点づつバーコードを貼り「登録番号・分類記号・書名・著者・出版社・発行年・備考」のデータ入力をこつこつと続けました。

農文協図書館

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 高齢になってからのパソコンでデータ入力という新しい仕事で、難しい旧漢字や英文・ドイツ語などに当たっても辞書を引き、勉強しながら作業を続けてきました。休み時間にはインターネットで桐生市や群馬県の各地のネットサーフィンを楽しみ、大学で学べ無かったことを人生の最終段階で果たし、それが生き甲斐になっているようでした。

こうして、4年間に入力したデータは2万3000冊、農文協図書館の閉架式個人文庫の64%に当たる分を仕上げたことになります。この殆どはホームページで公開され、世界中の利用者に活用され、農文協図書館の利用率を高めるのに貢献しています。

高橋さんは、幾多の障害と病気を抱えながらも定年後をいかに生きるかを身を持って示して下さいました。ここに農文協図書館の同僚としてお礼を申し上げます。

103歳の近藤康男理事長と一緒に並んで
(左から高橋富弥、原田勉近藤先生原田太郎


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